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シリーズ演奏会「音楽と非人間」 第3回 – 笙

九州大学芸術工学部では、このたびシリーズ演奏会「音楽と非人間」の第3回を以下のとおり開催します。
一般の方もご参加いただけますので、みなさまのお越しをお待ちしております。

『音楽と非人間』第3回では、笙による演奏をお届けします。この楽器は古代中国の神話の女神が鳳凰の鳴き声と形を模したものが原形と言われています。日本には8世紀ごろに伝来し、現在に至るまでその形を保ってきました。演奏者のファビオ・ランベッリ氏はカリフォルニア大学・サンタバーバラ校で教鞭をとり、現在は雅楽の思想史に焦点を当てて研究を行っています。
プログラムの前半では《越殿楽》や《陪臚》など雅楽の古典曲が、後半はダリル・ゼミソン《デスカント (1)》より〈申の刻〉、ジョン・ケージの《One9》などの現代曲、さらにアフロ・ブラジルの伝統的な歌である《オグンデ》も演奏されます。笙が持つ音色とその幅広さを、間近で体験できるまたとない機会になるでしょう。


開催日時:2024年7月21日 (日) 16:00 – 19:00

会場:九州大学大橋キャンパス 音響特殊棟録音スタジオ

参加費:無料

定員:先着40名

お申込み:下記Peatixイベントページより、事前にお申込み下さい。
https://nonhumnmusic3.peatix.com/

プログラム
第1部:雅楽の古典曲
《平調調子》
《陪臚》
《太食調入調》
《越殿楽》
第2部:現代曲
ゼミソン・ダリル:《デスカント 1》より〈申の刻〉(2020)
リッカルド・ヴァリィニ:《母への手紙》(1991)
ジョン・ケージ:《One9》(1991)
アフロ・ブラジル民謡(ジョン・コルトレーン編):《オグンデ》(1967)

演奏者
ファビオ・ランベッリ(笙)
カリフォルニア大学・サンタバーバラ校 教授(日本の宗教・文化史)。氏は、密教と神道の記号論、物質性、儀礼体系について、特に日本の宗教史における超人間的な次元に焦点を当て幅広く刊行してきた。現在は雅楽の思想史について研究を行う。氏は笙と竽(う)を演奏し、豊英秋(ぶんのひであき)と真鍋尚之(まなべなおゆき)の両氏に師事。CDには、 彼のデュオであるNeo Archē(笙・雅楽琵琶)による『Pearls』(2023年)、『New Heritage』(龍笛・篳篥・笙、2023年)、フリージャズにおける笙の可能性を追求した『The Turning Point』(笙・ドラム、2024年)などがある(いずれもEdgetone Recordsからリリース)。

シリーズ・コンセプト
今年度の「音楽と非人間」というコンサートシリーズは、3年間の研究プロジェクトの一環で、前近代的で非西洋的な存在論に根差した日本の哲学と美学を基にして、人間の音と非人間の音の関係を新たな視点から解釈します。
作曲家たちは自然や精神的な要素との関わりを探求し、前近代の哲学や能楽の作品からインスピレーションを得ています。自然からのインスピレーションやフィールドレコーディング、伝統楽器を用いた現代音楽が交差し、不安定な時代において音楽を創り、聴き、共有する、(そして議論する)意味のある方法を定めていきます。

お問い合わせ先
九州大学大学院芸術工学研究 ゼミソンダリル
Mail:jamieson★design.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。

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