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中村美亜教授らの論文が Cultural Trends 誌に掲載されました

未来共生デザイン部門 中村美亜教授らの研究グループ(医療法人すずらん会たろうクリニック、ラボラトリオ株式会社、NPO法人ドネルモ)の論文 “Addressing causality: participatory evaluation on improvisational drama workshops for people with dementia and their carers” が 、Cultural Trends 誌に掲載されました(オープンアクセス)。

研究グループが2020年以来取り組んでいる認知症の人と介護者とのアートワークショップと、中村教授が以前から取り組んできた芸術活動が人や社会に変化をもたらすプロセスと評価の研究を組み合わせた内容です。芸術活動が私たちのケアやウェルビーイングに貢献することは知られていますが、その因果関係についてはまだ十分理解されていません。今回の論文では、実践的・学際的な観点からウェルビーイングに貢献する活動にはどのような条件が必要かを(芸術活動だからこそできることも含めて)探究しています。

以下、論文タイトルと要旨の日本語訳です。



「因果関係に取り組む:認知症の人とその介護者のための即興演劇ワークショップに関する参加型評価」

芸術と健康に関する研究の前進にもかかわらず、芸術活動がウェルビーイングやケアに貢献するプロセスはあいまいなままである。本研究は、参加型評価とゴールフリー評価を用いて、介護施設における認知症の人とその介護者への即興演劇ワークショップの効果に関する因果関係に新たな光をあてることを目的とする。

本論文では、まず芸術において因果関係を扱う際の課題と戦略について整理し、次に方法論と研究の背景について述べる。その上でワークショップを通して得られた知見を、芸術のインパクトに関する重要な検討事項、すなわち、負の影響(失敗)、芸術の独自性、芸術の質、長期的なアウトカムに整理して論じる。そして最後に、ミクロとマクロの二層構造の因果プロセスが、意味のあるインパクトに寄与すると結論づける。

本研究は、負の影響(失敗)から学び、試行錯誤を通じて芸術的要素を他の関連要素と統合し、実施中に共有目標を再定義することの重要性を指摘する。こうした努力を継続することで、芸術活動の影響は、個人の行動変容にとどまらず、コミュニティの成長へとつながる長期的な成果をもたらすようになる。
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