
九州大学大橋キャンパス 多次元デザイン実験棟 ・スタジオ6にて、アーティスト カリーナ・ニマーファル氏のプロジェクト 「ASYNCHRONOUS OBJECTS (Empire and Environment)」を公開します。
ニマーファル氏は約1ヶ月間にわたり、九州大学総合研究博物館の収蔵品である什器やデザインに用いられる自然資源としての木材を辿り、林業や生物多様性、第二次世界大戦前後の日本の木材貿易の歴史といった文脈を探求してきました。今回スタジオ6にて設置される展示は、調査で見出されたことと、モノを展示すること・知の生成・アートと科学の創造的な関係性についての思索とを織り交ぜたものになっています。
ASYNCHRONOUS OBJECTS Empire and Environment
A Setting for Research and Care: リサーチとケアのための場
▪会期:2025年3月11日(火)-16日(日)
▪会場:九州大学大橋キャンパス 多次元デザイン実験棟スタジオ6
※アーティスト在廊中は見学可
クロージング・レセプション
▪日時:2025年3月16日(日)14時-18時
モノが到着した。到着したそれらは、一体何をするのだろう?執拗なまでの注意と、尽きることのない最小限の差異化によって組み立てられたモノたち。静寂で、不動である。
芸術作品であれ、日常生活の道具であれ、人の手によって作られたものは本質的に制度化や分類の歴史の産物なのではないだろうか?
この試みが、コレクションを正式な場・理念の元に構築されるものとして捉え、その意味に焦点を当てる他の試みと並ぶものであることを彼女は理解している。
伝統的な鑑識眼や美的な展示の概念を覆すべく、収蔵庫から展示空間へと移されたモノたち。
しかし、展示会というコミュニケーションのかたちは、すでに時代遅れなのではないだろうか?
モノは本来それぞれ異なる時間性を持ちながら、世界の中に存在し、そこで経験されることを通じて知の作用を生み出すべきなのではないか?
情緒を帯び、多弁で、生き生きとした、自らの歴史の語り手として、モノを位置づけることはできないだろうか?
あらゆる場が展示会なのではないだろうか?
(カリーナ・ニマーファル|制作中 |「ASYNCHRONOUS OBJECTS (Empire and Environment)」(2025) より抜粋)
