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現代実践フォーラム リサーチャー・トーク #2 大黒達也「音楽の身体知:神経生理的・計算論的アプローチによる探求」

九州大学大学院芸術工学研究院では、以下のとおりリサーチャー・トークを行います。

リサーチャー・トーク #2 大黒達也「音楽の身体知:神経生理的・計算論的アプローチによる探求」

日時:2025年5月28日(水)18時30分-20時00分
会場九州大学大橋キャンパス デザインコモン2F
使用言語:日本語(スライド:英語、Q&A:日・英)
参加費:無料
主催:九州大学大学院芸術工学研究院、令和3年度大学改革活性化制度「メディアアートによる科学・技術の芸術表現への昇華を通した価値の可視化プロジェクト」
お問い合わせ先:九州大学大学院芸術工学府 藤墳 fujitsuka.shoko.392@m.kyushu-u.ac.jp


音楽は、文化や時代を超えて人間の芸術的経験を深く形作ってきた。しかし、音楽が実際に心身にどのような影響を及ぼすのかはまだ十分には理解されていない。本講演では、脳の予測処理を通じて、音楽がどのようにして身体感覚や情動を引き起こすのか、その過程に焦点を当てる。特に近年、音楽の不確実性と予測誤差の時間的な「ゆらぎ」が、心臓や腹部に限局した身体感覚や情動を引き起こすこと、さらに、これらの身体感覚が美的評価と関連していることを示した。本公演ではこれらの知見に基づいて、脳の予測処理に基づく、音楽の情動と身体化に関わる認知メカニズムについての新たな仮説を提案する。


大黒達也|
東京大学大学院情報理工学系研究科・次世代知能科学研究センター准教授で、創造性、音楽、言語、神経科学、認知科学、機械学習など多分野を横断する研究を展開する研究者。東京大学にて医学博士号を取得後、オックスフォード大学およびマックス・プランク人間認知・脳科学研究所での研究を経て、現在はケンブリッジ大学で客員研究員、広島大学では客員准教授を務め、2024年より現職に着任。彼の研究は、人間が音楽をどのように知覚し、学習し、創造するのかという問いを出発点とし、音楽の背後にある脳の創造性のメカニズムを神経科学的手法と計算モデルによって領域横断的に探求するものである。東京大学ではCreativity & Music Labを主宰し、感性と創造の神経基盤を探る教育・研究に従事しているほか、一般向けにも積極的に発信しており、『芸術的創造は脳のどこから産まれるか?』(光文社新書)や『音楽する脳』(朝日新書)といった著書を通じて、脳科学と芸術表現の接点について広く論じている。
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