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Forum for Contemporary Practices トーク #21: ガビ・シリグ

芸術工学研究院では、トーク&ワークショップおよび作品上映会を開催いたします。

アーティスト・トーク&ワークショップ : ガビ・シリグ《やわらかさのトポロジーと中間領域:空間・身体・マテリアリティ・対話・関係性の倫理》

日時:2025年10月6日(月)18:30–20:00
会場九州大学大橋キャンパス 印刷実験棟2F 207号室(〒815-8540 福岡市南区塩原4-9-1)
使用言語:英語/日本語
対象: 芸術工学部および芸術工学府の学生、一般の方
※参加希望の方は、以下の申込フォームから事前にご登録ください(定員50名)。
https://forms.office.com/r/C6jBuXhJJc

作品上映《柔らかなものは、何かを守ることができると思う?》(2024年/18分11秒)

ソウ・ソウエン & ガビ・シリグ
日程:2025年10月2日(木)〜9日(木)
会場九州大学大橋キャンパス 芸術工学図書館1F 映像音響ラウンジ

ガビ・シリグは、彫刻、パフォーマンス、アクションを通して、美術・建築・デザインが交差する領域を探求するアーティストです。ドイツ・ベルリン芸術大学で空間デザインおよび展示デザインの教授を務めています。今回のトーク&ワークショップ《やわらかさのトポロジーと中間領域:空間・身体・マテリアリティ・対話・関係性の倫理》では、彼女の実践について紹介し、参加者が彼女のメソッドを体験できる実践的なワークショップを行います。さらに、ソウ・ソウエンとガビ・シリグによるパフォーマンス映像《柔らかなものは、何かを守ることができると思う?》(2024年、18分11秒)を10月2日から9日まで映像音響ラウンジにて上映します。

シリグは、芸術的実践において「空間」を生きた身体の延長としてとらえています。彼女の作品において、身体・空間・行為は相互に依存し、親密に結びついています。シリグにとって、空間と身体は決して静的・固定的なものではなく、生きていて儚く、絶えず変容を続ける存在です。空間は個々の身体的経験、さらには共同的な相互作用によって形づくられ、それが社会や私たちの生きる世界を形成していきます。
彼女の作品は、柔らかく儚い環境の創出に焦点を当てています。テキスタイルの殻、空間構造、柔軟な皮膜、時にはほとんど知覚できない膜のようなもの——それらは硬直した空間の境界を問い直します。こうした「柔らかな建築」は内と外、自他の二項対立を媒介し、触覚的で身体を伴う対話を促し、新たな空間の在り方、知覚、変容の可能性を開きます。そこには、変容の契機と、ケア・レジリエンス・共生の倫理に向けた開放性が秘められています。
シリグの創作活動は、テキスタイル、繊細な素材、ドローイング、実験写真、インスタレーション、パフォーマティブ・アクティベーション、映像など多様なメディアを通じて展開されます。
映像作品《柔らかなものは、何かを守ることができると思う?》は、ガビ・シリグによる《ソフト・アーキテクチャ》(2020–22)と、ソウ・ソウエンによる《エグササイズ》(2022–現在)の二つの作品を統合したものです。本作は2024年6月、ベルリン工芸美術館で上演・収録されました。福岡出身のソウ・ソウエンによる《エグササイズ》は、2022年12月、福岡アジア美術館にて初めて上演されました。

ガビ・シリグ
建築を専攻し、フランクフルトのシュテーデルシューレ(国立造形芸術大学)にてコンセプチュアル・アートの大学院課程を修了。2012〜2018年までデュッセルドルフのペーター・ベーレンス芸術大学にて教授。2018年よりベルリン芸術大学教授(空間デザインおよび展示デザイン)。
2023年以降、日本でも定期的に活動。アーティスト・イン・レジデンスSaiko Neon(山梨県)や青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)などでも短期滞在制作を行い、「Soft Matters – 儚さの空間」を探求している。同年、Gallery Kobo Chika (東京)で日本初の個展を開催。多摩美術大学、武蔵野美術大学、玉川大学、東京藝術大学でも講義を行う。
2024年春には「ダイロッカン: dai6okkan レジデンス・アートフェスティバル」(山梨)に招聘され、2025年春にはゲーテ・インスティトゥート東京の支援を受けてSpace Department(奈良)やSaruya Art Residency(富士吉田)で滞在制作を行い、《やわらかさのトポロジー》のリサーチを継続。2026年春には国際交流基金の招聘で、ケルン日本文化会館にて振付家・川口ゆいとともに、身体と空間の流動的境界を探求する予定。
シリグは国際的に作品発表を行い、多数のレジデンスやフェローシップを受賞。アカデミー・シュロス・ゾリテュード(シュトゥットガルト)、ヴァン・アレン研究所(ニューヨーク)、ノルディック・アーティスト・センター(ノルウェー)、KHOJ(ニューデリー)、Largo das Artes(リオデジャネイロ)、バウハウス財団(デッサウ)、ニダ・アートコロニー(リトアニア)など。近年のプロジェクトには、リラ・チタヤットとの《bodies without organs*》(テルアビブ、2020–21)、川口ゆい(振付家・ダンサー)・高瀬アキ(ジャズピアニスト)との共同制作《Accento – the City in the Piano VI》(ベルリン、2022)、ソウ・ソウエンとの《柔らかなものは、何かを守ることができると思う?》(ベルリン工芸美術館、2024)などがある。

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