
九州大学大学院芸術工学研究院の丸山 修 教授と未来共生デザインコースの大学院生・吉永 旭杜さん(修士課程)による研究論文「CDACHIE: chromatin domain annotation by integrating chromatin interaction and epigenomic data with contrastive learning」が、国際誌 Bioinformatics に掲載されました(DOI: 10.1093/bioinformatics/btaf464)。
■ 研究概要
本研究では、ヒトゲノム内のクロマチンドメイン(活性・不活性領域など)をより高精度に特定するため、3次元的な染色体構造情報(Hi-C)と1次元的なエピゲノム情報(ヒストン修飾・DNAメチル化など)を統合する新しい解析手法「CDACHIE」を開発しました。
CDACHIE は、対照学習(Contrastive Learning)を用いて、構造情報と機能情報の特徴空間を自動的に対応付け、それぞれのゲノム領域を統合的に表現することを可能にします(図参照)。この表現をもとにクラスタリングを行うことで、機能的に異なるドメインタイプを分類します。
■ 研究の成果
CDACHIEは、従来のモデル(HMM_combined や GMM_GBR)と比較して、遺伝子発現量・複製タイミング・ChIA-PETループ構造などに対する説明力が高いことを実証しました。
また、Hi-C由来のA/Bサブコンパートメント構造との比較により、CDACHIEがより細かな機能的差異を捉えていることを示しました。特に、転写的に活性な領域(A1, A2)をさらに細分化し、活性度の異なるサブタイプ(C1, C2, C3など)を抽出できる点が特徴です。
この成果は、3Dゲノム構造とエピゲノム機能の対応関係をより正確に理解するうえで大きな一歩となります。
■ 今後の展望
本研究で提案したCDACHIEは、2つの異なるオミクスデータを「意味的に統合(semantic integration)」する初の手法として位置付けられます。
今後は、さらなる細胞種や追加のエピゲノムデータ(転写因子結合・アクセシビリティ情報など)を取り入れることで、より汎用的で高解像度なゲノム構造解析を目指します。
■ 論文情報
論文名:CDACHIE: chromatin domain annotation by integrating chromatin interaction and epigenomic data with contrastive learning
著者:Asato Yoshinaga, Osamu Maruyama
掲載誌:Bioinformatics(Oxford University Press)
DOI:10.1093/bioinformatics/btaf464
ソースコード:GitHub – maruyama-lab-design/CDACHIE
アーカイブ:Zenodo – 10.5281/zenodo.15751780
■ 研究支援
本研究は、科学研究費助成事業(KAKENHI, JP23K21718)の支援を受けて実施されました。
■ 研究概要
本研究では、ヒトゲノム内のクロマチンドメイン(活性・不活性領域など)をより高精度に特定するため、3次元的な染色体構造情報(Hi-C)と1次元的なエピゲノム情報(ヒストン修飾・DNAメチル化など)を統合する新しい解析手法「CDACHIE」を開発しました。
CDACHIE は、対照学習(Contrastive Learning)を用いて、構造情報と機能情報の特徴空間を自動的に対応付け、それぞれのゲノム領域を統合的に表現することを可能にします(図参照)。この表現をもとにクラスタリングを行うことで、機能的に異なるドメインタイプを分類します。
■ 研究の成果
CDACHIEは、従来のモデル(HMM_combined や GMM_GBR)と比較して、遺伝子発現量・複製タイミング・ChIA-PETループ構造などに対する説明力が高いことを実証しました。
また、Hi-C由来のA/Bサブコンパートメント構造との比較により、CDACHIEがより細かな機能的差異を捉えていることを示しました。特に、転写的に活性な領域(A1, A2)をさらに細分化し、活性度の異なるサブタイプ(C1, C2, C3など)を抽出できる点が特徴です。
この成果は、3Dゲノム構造とエピゲノム機能の対応関係をより正確に理解するうえで大きな一歩となります。
■ 今後の展望
本研究で提案したCDACHIEは、2つの異なるオミクスデータを「意味的に統合(semantic integration)」する初の手法として位置付けられます。
今後は、さらなる細胞種や追加のエピゲノムデータ(転写因子結合・アクセシビリティ情報など)を取り入れることで、より汎用的で高解像度なゲノム構造解析を目指します。
■ 論文情報
論文名:CDACHIE: chromatin domain annotation by integrating chromatin interaction and epigenomic data with contrastive learning
著者:Asato Yoshinaga, Osamu Maruyama
掲載誌:Bioinformatics(Oxford University Press)
DOI:10.1093/bioinformatics/btaf464
ソースコード:GitHub – maruyama-lab-design/CDACHIE
アーカイブ:Zenodo – 10.5281/zenodo.15751780
■ 研究支援
本研究は、科学研究費助成事業(KAKENHI, JP23K21718)の支援を受けて実施されました。
