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MulSHIPシンポジウム「社会における仮想と現実の境界線」を開催しました

2025年12月13日(土)、九州大学大橋キャンパスにて、マルチバース社会デザイン研究拠点プロジェクト(MulSHIP)主催のシンポジウム「社会における仮想と現実の境界線」を開催しました。

MulSHIPは、芸術工学研究院が中心となり、仮想空間と現実空間が融合するマルチバース社会において、人々が健康を維持しながら多様な幸せ(Well-being)を実現できるデザインと仕組みを研究し、社会実装を進めるプロジェクトです。

本シンポジウムでは、メタバースと現実社会が重なり合う現代において、その境界をどのように捉え、社会や人間の営みにどのような影響をもたらすのかをテーマに、学内外の研究者および実務者による講演と議論を行いました。
前半では、勝村啓史准教授(九州大学大学院芸術工学研究院)による「マルチバース人類学」をテーマとした講演に続き、瀬戸山晃一教授(京都府立医科大学大学院)より、マルチバース社会における倫理・法・社会的課題(ELSI)についての基調講演が行われました。
また、磯田和生氏(大日本印刷株式会社)からは、XR技術を活用したアート体験の事例が紹介され、仮想技術が文化体験を拡張する可能性が示されました。
後半のディスカッションでは、「仮想と現実の境界線」をキーワードに、教育、文化、倫理、社会実装といった多様な視点から活発な意見交換が行われました。仮想と現実を対立的に捉えるのではなく、相互に補完し合う関係として捉える重要性が、登壇者・参加者の間で共有されました。

本シンポジウムを通じて、マルチバース社会がもたらす新たな価値と課題について理解を深めるとともに、今後の研究および実践につながる多くの示唆が得られました。MulSHIPでは、今後も仮想空間と現実社会をつなぐ研究と対話の場を継続していきます。


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