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The Persistent Signal: Articulating Artistic and Curatorial Practice in Sound Art

九州大学大学院芸術工学研究院では、「The Persistent Signal: Articulating Artistic and Curatorial Practice in Sound Art」を開催します。

本プログラムは3日間にわたり、レクチャー、展覧会、コンサート、そして最終日のシンポジウムを通して、サウンド・アートにおける芸術実践およびキュラトリアル実践の批評的かつ実験的アプローチを提示します。歴史的視座を現代における実践の課題や今後の展望と接続しながら、音楽、パフォーマンス、美術、メディアアート、科学技術、さらには政治的言説にまで広がる多様な実践の射程からサウンド・アートを考察します。

 

開催概要


会期:2026年2月18日(水)–20日(金)
会場:九州大学大橋キャンパス
使用言語:英語(Q&Aは英語および日本語)
助成:文化芸術活動基盤強化基金「クリエイター等支援事業(育成プログラム構築・実践)」、JSPS科研費(課題番号:23H00591、23K17267、24K03533)

 

プログラム内容 


レクチャー:サウンド・インスタレーション・アート|
講師:Carsten Seiffarth

日時:2026年2月18日(水)–19日(木)10:30–12:00
会場:大橋キャンパス 音響特殊棟 録音スタジオ

一連のレクチャーでは、Carsten Seiffarth氏が独自の分野としてのサウンド・インスタレーション・アートを批判的に考察する。長年のキュレーターとしての経験に基づき、同分野の概観を提示するとともに、その歴史的起源から現代の実践に至るまでの多様な事例を紹介する。
セッション1:サウンド・インスタレーション・アートの歴史的展開を概観する。続いて、1996年からベルリンで活動を続けるサウンドアート・プラットフォーム「singuhr」による実践事例を紹介する。
セッション2:公共空間におけるサウンド・アートに焦点を当てたプロジェクト「bonn hoeren」(ドイツ・ボン、2010–2021年)を中心に取り上げる。さらに、近年の公共サウンド・アート・イニシアティブ「soundforum bonn」(2022–2023年)におけるアート&サイエンス・プロジェクト2件についても紹介する。
 
展覧会|
オープニング・レセプション:2026年2月20日(金) 15:00–
会期:2026年2月21日(土)–23日(月・祝) 12:00–18:00
会場:大橋キャンパス 多次元デザイン実験棟 スタジオ6
 
コンサート|
日時:2026年2月20日(金) 15:30–18:00
会場:大橋キャンパス 音響特殊棟 録音スタジオ
出演
― 畠中実およびワークショップ参加者
― ゲスト・パフォーマンス:dj sniffおよびスペシャルゲスト
 
シンポジウム|
日時:2026年2月20日(金) 18:30–20:30
会場:大橋キャンパス 音響特殊棟 録音スタジオ
一連のイベントを締めくくるこのシンポジウムでは、サウンド・アートの歴史的展開と将来の可能性を総括的に検討する。芸術実践的視点とキュラトリアルな視点を横断しながら、サウンド・アートがいかにして現代の実践として展開し続けているのかを考察する。
パネル1:「On Reenactments」
 登壇:畠中 実、Carsten Seiffarth
 進行:城 一裕、牧野 豊(九州大学大学院芸術工学研究院)
パネル2:「Future Forms of Artistic and Curatorial Practice」
 登壇:Ariane Beyn(九州大学大学院芸術工学研究院)、畠中 実、Carsten Seiffarth、dj sniff
 進行:城 一裕、牧野 豊(九州大学大学院芸術工学研究院)
 

登壇者プロフィール


Ariane Beyn:ドイツ・ベルリンおよび日本・福岡を拠点に活動する美術史家、キュレーターである。2023年より九州大学大学院芸術工学研究院にて講師を務めている。2008年から2018年まで、DAADアーティスト・イン・ベルリン・プログラムの美術部門代表およびdaadgalerieのディレクターを歴任した。2008年にはアートフェア「abc art berlin contemporary」のアーティスティック・ディレクター、2006年から2007年にかけてはサンフランシスコのCCAワティス現代美術研究所の客員キュレーターを務めた。近年の主な展示やパブリック・プログラムには、『Beyond Migration』(コルカタ・ゲーテ・インスティトゥート、2022年/ヨハネスブルグ・ゲーテ・インスティトゥート、2023年)、『Readings from Below』(Times Art Center・ベルリン、2020/21年)、『Why an Archive?』(Arsenal 3・ベルリン、2020年)、および『Lawrence Abu Hamdan: Walled Unwalled』、『Teresa Margolles: Sutura』、『Sung Hwan Kim: And Who Has Not Dreamed of Violence?』(いずれもdaadgalerie・ベルリン、2018年)などがある。

 
dj sniff(水田 拓郎リピット):実験的な電子音楽と即興演奏の分野で活動する音楽家、キュレーターであり、DJ、楽器デザイン、フリー・インプロヴィゼーションを組み合わせた実践を展開している。これまでにEvan Parker、大友良英、Tarek Atoui、Senyawaなどと共演している。2007年から2012年までアムステルダムのSTEIMでアーティスティック・ディレクターを務めた。2012年から2017年は香港城市大学クリエイティブメディア学部の客員助教、2020年から2022年は京都精華大学国際文化学部グローバルスタディーズ学科の准教授を歴任した。現在はロサンゼルスと東京を拠点に、アジア各地の実験音楽の実践を繋ぐプラットフォーム「AMF(Asian Meeting Festival)」の共同ディレクターを務めている。また、現在京都精華大学非常勤講師、および東京藝術大学キュレーション教育研究センター助教も兼任している。
 
畠中 実:1968年生まれ。1996年のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]開館準備より同館に携わり、数多くの展覧会やイヴェントを企画した。主任学芸員,学芸課長をへて2025年3月末で同館を退任。近年の主な展覧会には、『多層世界とリアリティのよりどころ』(2022年)、『坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア』(2023年)、『IICC アニュアル 2024 とても近い遠さ』(2024年)、『evala 現われる場 消滅する像』(2024年)などがある。
 
Carsten Seiffarth:サウンド・インスタレーション・アートと実験音楽を専門とするキュレーター、プロデューサーである。ベルリンにあるサウンドアート・ギャラリー「singuhr — projects」の創設者兼ディレクターであり、1996年から同プロジェクトを牽引している。過去数十年にわたり、屋内外の公共空間において、国際的なアーティストによる200以上の展覧会、サウンド・インスタレーション、サイト・スペシフィックなサウンド作品を企画・制作してきた。その対象は、没後もその実践が影響を与え続ける歴史的に重要な作家のプロジェクトにも及ぶ。Seiffarth氏の活動は、芸術的概念を空間的、音響的、技術的な現実に翻訳すること、およびキュレーションやインスタレーションに関する知識を世代を超えて継承することに重点を置いている。同氏は美術館、アーカイブ、文化機関と幅広く連携し、時間・空間に依拠した体験型メディアとしてのサウンド・インスタレーション・アートの保存、再展示、解釈において重要な役割を果たしてきた。