環境設計学科卒業設計:風景を紡ぐ建築
清原 千香子
環境設計学科 ※制作時所属
卒業研究
- 制作時学年
- 学部4年
農業は今、重大な危機に瀕している。少子高齢化や非都市圏の過疎化が進行するにつれ、農業人口の減少、耕作放棄地の増加などの諸問題が二次的に発生している。一方「場」としての農地を考えてみる。農地には様々な人が、様々な関わり方をしている。
職場としている農夫、通学路としている子供たち、そこを通って都心へ通勤する人、散歩をする人、ただ風景として眺める人。単に農業の仕事場としてだけでなく、共通の「場」を通して様々なシーンが生まれている。
この建築は田園風景のあぜ道に寄り添うように置かれる。そこにそっと建築を作ることで、今まで関わりのなかった人どうしが最初のひとことを交わすきっかけになるのではないか。
それがやがて農業の問題に対して少なからず関わることができるのではないかと考えた。
その建築は、人々の風景を紡ぐ。