学生作品・研究

境内の軌跡

公開日 :2014.11.04

伊達一穂

環境設計学科 ※制作時所属

学生作品・研究

制作時学年
学部3年

敷地である大分県日田市豆田町はかつて天領日田として栄えた城下町であり、現在は国の重要伝統建造物群保存地区に選定され、今でも江戸時代のような街並みが大切に保存されています。町屋間に抜ける細い路地や水路は古くから色あせることなくこの町に息づいていて、豆田町は重要な観光地として、日田市を活気づける存在になっています。しかし、その一方で豆田町の裏空間は変わりつつあります。綺麗に保存された町屋の裏側には大型の観光地用の駐車場が広がっていたり、町屋ならではの職業と住宅のヒエラルキーの先には荒れ放題の空地だったり、使われなくなった大きな工房や離れなどが存在していました。

本プロジェクトでは、そのような敷地にポツンと佇む小さな神社を起点に、伝建地区の裏空間に広がる大きな駐車場の空白を、町全体を巻き込む大きな境内の空間へと転換し、新たな町屋と町屋、人と人との関係を更新していきます。