学生作品・研究

都市裸裸裸実験(第28回ユニオン造形デザイン賞 最優秀賞)

公開日 :2022.02.24

香月弥樹 沢田直人 本多琴美

環境・遺産デザインコース ※制作時所属

受賞作品

制作時学年
修士1年
ある日、非常階段の先に男は亜空間を発見する。名札はない。
男は、なんとなく足を踏み入れた。男は、服を脱いでいく。空間に脱がされていく。

「都市裸裸裸実験」と題して、ここに都市人による都市人のための亜空間を創造する。裸である時間は唯一、現代社会に繋縛されずその人本来のふるまいができるが、その時間は日々の中では刹那的な作業の一つにしかなり得ない。衣服は物理的保身だけでなく自分らしさや所属集団を表現する役割があり、現代社会からの圧力に対抗する鎧にもなり得る。ノイズキャンセリングし鎧を纏った都市人のための設計。現代社会に繋縛された都市人は都市の中に挿入された脱衣行為と遭遇することで、鎧からの束の間の解放を得る。

今日も誰かがあの空間で裸になっている。共有はしない共感が都市人の共同体に共振を始める。繰り返しの毎日から垣間見えるアジール空間が増殖し、裸になるアノニマスな関係性が都市空間に広がる。