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  • 【展示】「木、紙、金属、磁器 – 予め吹き込まれた音響のないレコード – 」

【展示】「木、紙、金属、磁器 – 予め吹き込まれた音響のないレコード – 」

芸術工学研究院 城一裕准教授による展示「木、紙、金属、磁器 – 予め吹き込まれた音響のないレコード – 」が、2023年2月14日(火)〜26日(日)に福岡市内のギャラリー「EUREKAエウレカ」で開催されます。会期中にはトーク、ワークショップ、パフォーマンスなどの関連イベントを行います。


城一裕展

木、紙、金属、磁器 – 予め吹き込まれた音響のないレコード

Wood, Paper, Metal, and Porcelain – A record without prior acoustic information 

 

◆日 程:2023年2月14日(火)―2月26日(日) 12:00-19:00
   ※20(月)21(火)はお休み
◆場 所:ギャラリー「EUREKAエウレカ」
     福岡市中央区大手門2-9-30 Pond Mum KⅣ 201
◆入場料:無料

 

「再生する楽器であるグラモフォンから再生ではなく創造する楽器をつくること、そしてあらかじめ吹き込むべき音響なしにいきなり必要な溝をそこに掘り込み、そのレコード盤上で音響という現象じたいを発生させるようにすること」モホイ=ナジ (1923)

1923年、バウハウスのマイスター、モホイ=ナジは、あらかじめ吹き込むべき音響がないレコード盤を作り出すことを提案した。当時挑発的なアイデアにすぎなかったそのレコード盤を、成熟したアナログレコードの技術と、パーソナル・ファブリケーションの道具の助けによって、これまでに木、紙、金属、磁器といった様々な素材を用いて作り出してきた。

その変遷を示す今回の展示では、いずれの作品においても、1860年にフランスの発明家レオン・スコットが記録した(現段階で)人類最古の録音と言われるフランス民謡の「月の光に」<Au Clair de la Lune> をモチーフに、その楽譜から周波数を計算し、対応する波形を素材の表面に水平方向の溝として刻んでいる。それらの溝からは、計算機上で表された同一の「信号(シグナル)」に基づきながらも、各々の素材による「雑音(ノイズ)」にその表れが委ねられた音が生み出される。

 

参考文献
フリードリヒ・A. キットラー (1999) グラモフォン・フィルム・タイプライター、筑摩書房.
城一裕 (2021) いつか音楽と呼ばれるもの 試論その 2 、細川周平編:「音と耳から考える歴史・身体・テクノロジー」、アルテスパブリッシング, pp. 566-579.

 

 


■ 関連イベント ※すべて無料。

オープニングトーク:城 一裕+秋吉 康晴(聴覚文化論)
◆日 時:2月14日(火) 19:00〜20:30
◆場 所:ギャラリー「EUREKAエウレカ」


ワークショップ:「紙のレコード」 -予め吹き込むべき音響のないレコード編-
◆日 時:2月23日(木) 15:00〜17:00
◆場 所:九州大学大橋キャンパス7号館コンピューター室教室
   *要事前申し込み(定員10名、ギャラリー「EUREKAエウレカ」での直接受付のみ)

 

パフォーマンス:freq 2023 -メディア・テクノロジーから生まれる音-
◆日 時:2月23日(木) 18:30〜
◆場 所:九州大学大橋キャンパス音響特殊棟録音スタジオ
◆ゲスト:L?K?O、1729
*要事前申し込み(定員50名)
https://freq2023.peatix.com

 

クロージングトーク:城 一裕+尾中 俊介(カラマリインク)+牧野 身紀(EUREKA)
◆日 時:2月25日(土) 19:00〜
◆場 所:ギャラリー「EUREKAエウレカ」

 

参照リンク