ジユンクワンクワテイ 循環過程
森山直紀
環境設計学科 ※制作時所属
卒業研究
- 制作時学年
- 学部4年
耐震強度不足によって取り壊される小学校のリノベーションである。
でも、これは地域全体のリノベーションだ。
地域に根ざしていたはずの小学校は、使われなくなった途端、地域を遮る壁となってしまった。
地域の思い出の場所をまるまる取り壊すのではなく、新たに地域が集う場所を提供したい。
建物の減量と桁方向の補強という手法をつかった。小学校のカタチ(構造)はそのまま、ヴォリューム(壁、床)だけをなくし、視覚的にも体感的にも地域に解放された空間をつくる。桁方向にのびる補強材はそれ自身が廊下となって小学校の外を巡りだし、建物と周辺をつなぐ装置となる。
すっかりスカスカになった小学校は、もはや遮る壁ではなくなり、都市部においてはあまりにも潤沢な使われ方のグラウンドと、その向かいにある広々とした公園とを結びつける。