人工林における問題解決のためのロボットデザイン提案
古屋伸男
工業設計学科 ※制作時所属
卒業研究
- 制作時学年
- 学部4年
近年、放置された人工林が問題となっている。2012年夏の豪雨で、九州地方は多大な被害を受け、阿蘇地方では山の土砂崩れにより人的被害も出た。土砂崩れの原因として、人工林の手入れ不足による土壌の弱体化が指摘されている。また、花粉の飛散量増大も適切に管理されず、過度に繁茂した人工林が要因の一つとされている。このようにかつて木材資源として植林された人工林は、数々の問題を引き起こす要因となっている。現代において人工林をいかに管理していくかが、日本の森林の未来を考えていく上で重要であり以下の2点を提案する。
森林調査:一定範囲を自律的に移動し、森林を調査するロボットを提案する。間伐する木の選木には、胸高直径、樹高、位置情報などが利用されるため、それらの収集により、網羅的に森林状況を調査し、緊急に間伐すべき地域を特定する。
巻き枯らし支援:木にセットし、直上移動しながら巻き枯らしを行うロボットを提案する)。森林調査で判明した間伐処理を行うべき場所で使用する。上部まで皮を剥くことが巻き枯らし効果を最大化するため、人ができないような高い部分まで剥ける機能を持たせる。広範囲に剥皮することで、害虫の温床となりうる場所を減らすことができる。登りの時は切れ込みを入れてカットしておき、降りる際は、木の皮と幹の間に割り込んで、皮を剥きながら降下してくる。